舞台袖レポート 更新情報
羅い舞座 京橋劇場 2024年2月公演
「劇団天虎」舞台袖レポート
2024年2月24日 12時23分51秒
舞台袖レポートでは、楽屋や舞台袖など客席からは見えないところでの劇団の奮闘ぶりをお届けしています。
今回は、羅い舞座 京橋劇場での劇団天虎公演に密着しました!
(2024年2月6日取材)
■開演1時間前
午前11時。
舞台裏にお邪魔すると七星泰河(ななせ たいが)座長が真剣な様子で今日のお芝居の台本を読み込んでいました。
今日のお芝居は「下北の弥太郎」
公演するのは2回目とのことで、座長はじめ舞台裏は緊張感たっぷり!
ちなみに座長の台本の覚え方は
「台本があれば台本を読んで、スマホに入れたものはスマホを読んで……」と、とにかく読んで覚えているそうです!
開演前の舞台。
お店のセットでしょうか。
おでん、煮物、おひたし……と書かれているのが印象的!
さらに見てみると大きな太鼓が!
劇団天虎では、太鼓を使うパフォーマンスをすることもあるそう。
その近くには箱の中に大量の白い紙が入った衣装ケースが……
今日のお芝居で使うのでしょうか?
4階の楽屋に行ってみると、彩姫(あやひめ)さんがお化粧を始めていました!
化粧をするときはいつも役のイメージを大切にしてやっているそう。
「気が強い娘役なので、ピンクを入れすぎて柔らかくならないようにしています!」
お化粧中、彩姫さんはスマホから今日の芝居を流していました!
キッチンには大きなお米の袋がどっしり!
大量……これで一月分足りるか足りないかくらいだそう。
さらに別の楽屋にお邪魔。
マンスリーゲストの新導あき(しんどう あき)さんもお化粧中!
野球マンガ「おおきく振りかぶって」が大好きというあきさん
マンガのタイトル入りの青空をイメージした下駄がありました。
ロケ地も巡ったそうです!
続いてお邪魔した楽屋には、南條のぼる(なんじょう のぼる)さん!
鏡越しからも伝わるかっこよさ!
今回のお芝居では、ボサマ役と女役の二役で大忙し!
おや? 楽屋の前に三味線が!
今日のお芝居で使うものでしょうか?
続いてこちらは、光はじめ(ひかり はじめ)さん!
今回のお芝居では、お婆さんになったりお爺さんになったりと、何役もあってとても大変そう!
梅澤秀峰(うめざわ しゅうほう)さん
皆さんから「先生」と言われています!
こちらは、支度を終えた和新之助(かず しんのすけ)さん
素敵な笑顔をパシャリ!
もうすぐ開演の時間ということで舞台袖の方に戻ってみると、笑顔の新導あきさんと刀を構えた七星英雄(ななせ ひでお)さん!
ツーショットをパシャリ。
第1部お芝居の開幕直前。
舞台セットは完璧!
幕の内側では序幕の殺陣の確認中!
とにかく早い!かっこいい!
舞台袖では音響を確認している七星愛莉(ななせ あいり)さん!
音響は9才の頃からやっているそうです!
七星泰河座長と藤間美香(ふじま みか)さん!
着付けをしながら真剣に打ち合わせをしています。
皆さん開幕ギリギリまで台本を読み込んでいます!
準備万端!
いよいよ開幕です!!
■第1部お芝居「下北の弥太郎」
弥太郎こと七星泰河座長登場!
小さい頃、離れ離れになってしまった女の子(お千代)を探して旅をかける弥太郎。
訪ねてきたのは長岡宿の居酒屋。
三味線を引くぼさまこと南條のぼるさん
流れる曲から切なさを感じます
序幕の立ち回り。緊張感にあふれた空気の中でもぼさまの三味線の音が響きます
座長の決めに合わせて流れる曲も一転!
そして場面転換!
皆さん大急ぎで大道具を片付けています
隙間時間はスマホで台本を確認!
目を隠されているお千代こと藤間美香さんとお婆さんこと光はじめさん登場
何やら不穏な空気です
舞台袖では南條のぼるさんが三味線を弾いていました!
芝居の台本を入念に読み込んでいる七星泰河座長
新作狂言が続くので、芝居後の隙間時間もずっと台本漬けでした。
またまた場面転換!
急いで準備をしています
そして先ほどとは一転して和やかな雰囲気で舞台が再スタート!
宿で下駄を借りようとする弥太郎
下駄を履いてカンカンさせる姿にお客さんの笑い声が聞こえてきました!
大根を抱えている宿屋の娘こと彩姫さん
実はこの大根、本物なんです!!
一方その頃、舞台袖では着付けをする藤間美香さんと出番直前まで台本を読む七星泰河座長
お千代の話をぼさまから聞く弥太郎
舞台袖ではじっと見守るお爺さん姿の光はじめさんの姿が見られました
先ほどのお婆さん姿の時も見守っていました!
またまた舞台転換!
場面が多いので大忙しです。
連れ戻されそうなお千代と、お千代を庇うおりくこと幸妻弥枝(こうさい やえ)さん
2人の悲壮な姿に、もうこれ以上はやめてあげて! という気持ちになります
またまた舞台が転換!
首を吊り自殺しようとしたところを止めに入る弥太郎
弥太郎が探しているお千代が自分であることを認めないお千代
「私じゃない」と涙を流す姿に胸が締め付けられました……
ここで暗転
殺陣のシーン、皆さん立ち回りを入念に確認しています
迫力満点!
会場全体が緊張感に包まれています
「会えてよかったああ!!」
「弥太兄ちゃぁん……」
このシーンでもう涙腺がボロボロです
「もう2度とお前を、離さぁねぇ!」
座長の決めに合わせて舞台が暗転
大量の紙雪を準備しつつ、最後の殺陣の確認です
いよいよ物語も終盤へ……
弥太郎がお千代の手を温めています
追っ手からお千代を守る弥太郎
しかし、ついにお千代が切られてしまいます
「弥太兄ちゃんに抱かれて死ねるだけでも幸せよ……」
そう言い残し息を引き取ったお千代と弥太郎の叫び声に涙が止まりません
魂のこもった芝居に圧倒され、幕。
静かな拍手に包まれます。
常に緊張感のあった舞台裏。舞台への真剣さがひしひしと伝わってきた第一部でした!
座長が口上をしている間に後ろではみなさん雪を片付けていました
大量。
実はこの紙雪、15キロもあるそう!
■第2部舞踊ショー支度
次の舞踊ショーに向けて準備中の新導あきさん
着替え終わったあと、舞踊ショーが始まる前に楽屋でパシャリ
左から、彩姫さん、新導あきさん、幸妻弥枝さん
このカラフルな韓国風の衣装で幕開けです。
お化粧中の和新之助さん
先ほどの芝居のお話をお聞きしたところ、台本は一通り覚えるようにしているそう!
それでも序幕は緊張したそうです
さあ! いよいよ第二部舞踊ショーが始まります!
■第2部舞踊ショー
こちらは三人の群舞!
先ほどの韓国風の衣装で優雅に踊っています!
続いて南條のぼるさんのソロ
キリッと引き締まった舞踊。痺れるようなかっこよさ!
光はじめさんの大人の色気溢れる女形も魅力的!
大勢での息ぴったりな群舞!
音羽屋幸枝(おとわや こうし)さんの歌謡ショー!
お客さんも手拍子でのりのりです!
座長の女形舞踊。お芝居とはガラッと変わる雰囲気に、お客さんの目も釘つけ!
女形が終わり立役の化粧を始める座長。
先ほどとはまた違う力強い雰囲気を纏っています!
舞台では扇を使った凛々しい舞踊!
続いては七星英雄さん
海を連想させる衣装とともに優雅な踊り!
その頃、舞台裏では音響もしつつ、手書きで芝居の書き写しをする愛莉さん
桜の枝を持って出番を待つ彩姫さん!
キラキラのお姫様風髪飾りも可愛らしいですね♪
藤間美香さんの色気漂う舞踊にうっとり
舞台で舞踊ショーが進む中、片付けも同時進行しています。
衣装部屋の弥枝さん。整理整頓の達人です。
スカーフの整理グッズを活用して志古貴(しごき)の整理。
「こうしておくと一目で取り出せるでしょう」
襦袢も、段差がついたハンガーラックで、一目瞭然。
「つけ襟はあまり好きじゃなくて、全部襦袢に縫っているんです」と言う弥枝さん。
カラーバリエーションが豊富で、襦袢でも華やかですね。
舞台袖で楽しくお話し中の七星英雄さんと和新之助さんをパシャリ
お芝居では常に緊張した空気でしたが、舞踊ショーでは舞台袖も和やかです^^
本日のラスト舞踊「昴」
白と黒の衣装で、厳かに。
座長を中心に流れるような舞踊で、一瞬たりとも目が離せませんでした!
■七星泰河座長メッセージ
羅い舞座京橋劇場に乗せていただくようになって3年目になります。
お客さんに飽きられないように、お芝居2本の日を設けたり、
去年やった芝居と変えながら新しい芝居に挑戦したり、頑張っています。
うちは来月がお休みなので、今月はとことんやり尽くすと言う意気込みで、
自分で自分を追い込みながらやっています(笑)。
ぜひ劇場へお越しください!
■劇団天虎プロフィール
劇団芸昇で座長を務めた七星泰河座長が、2019年7月に羅い舞座 堺東店で旗揚げ。
古典から現代劇まで幅広く演じ、特に三枚目役には定評がある七星泰河座長のもと、
旅芝居という大河へ悠々と挑む。