舞台袖レポート 更新情報
羅い舞座京橋劇場 2024年6月公演
「見海堂劇団」舞台袖レポート
2024年6月26日 15時22分26秒
舞台袖レポートでは楽屋や舞台袖など客席からは見られないところの様子をお届けしています。
今回は、羅い舞座京橋劇場で公演中の見海堂劇団(みかいどうげきだん)。
「真之介祭り」に密着しました!
(2024年6月5日取材)
■開演1時間前
午前11時。
楽屋にお邪魔すると、見海堂真之介(みかいどう しんのすけ)総座長と少し眠たそうなベビー虎駿(こしゅん)くん。
総座長「舞台好きね?」
虎駿くん「……(ねむい😴)」
ここで総座長より予定の変更を告げられました。
総座長「今日は真之介とあさとのダブル祭りだったんですけど、
あさとさんが乗り込みの時にぎっくり腰をやっちゃいまして。
だから今日は僕一人の祭りになりました」
なんと、おいたわしや。
「今は舞台に出られるようになったんですけど、さすがに祭りは無理なので…」
毎月の移動で大荷物を運ぶので、腰痛は役者さんの職業病でもあります。
あさとさんの1日も早い回復を祈るばかりです;;
お化粧中の総座長を横からパシャリ。
お化粧はいろんな人のメイクから研究して勉強してきたそう。
化粧台の近くには小判がいっぱい!
実はこれ、バスボム。
大量に入れれば億万長者気分!
「おはよーございます!」
軽快な挨拶で登場したのは見海堂光(みかいどう ひかる)さん。
総座長「撮っといてこれ。出勤を」
光さん「出勤って笑」
決めポーズ&爽やか笑顔いただきました!
写真を撮り終えたあとは黙々と音響の作業にかかります。
仕事デキ感ある背中です😆
続いて、
おにぎりの準備をしている照明担当のサンダーバード幸太郎(こうたろう)さんをパシャリ。
今日のお芝居で使うものだそうです!
4階の楽屋へお邪魔。
見海堂駿(みかいどう しゅん)代表が羽二重のお手入れ中。
代表「これは羽二重に髪の毛をくっつけた特注品です。
使っているうちにおしろいがついちゃうんで、時々削らないといけないんです」
ザクザクと削り落としていく手際の良さは、職人と呼びたいくらいでした。
お化粧を始めた駿さん。アイラインを引いています。
「もう5分でできちゃう」
すごい……。
代表の楽屋には「駿」と書かれた暖簾がかけてありました。
別の楽屋へ。
見海堂虎之介(みかいどう とらのすけ)花形がゲーム実況の動画を流しながらお化粧中!
ゲームはするのも見るのも好きだそう。
「今はSwitchをやることが多いです」
楽屋の廊下にたくさんの背景幕が積まれてありました。
写真はほんの一部。倉庫にも「まだまだある」そうです。
お芝居に合わせた背景幕を自前で作るのも、舞台への飽くなき追求ゆえ。
追求した分、さらに積み上がっていくという……^^;
おもちゃの刀をブンブン振り回す虎駿くん。満面の笑みです!
取材班「うわぁ~切られたー!」
舞台袖の方に戻ると光さんがお化粧中。
瞼に線を引いているところです。
すぐ近くには縁起のよさそうなコーナーが。
可愛らしい開運グッズたちですね〜
舞台ではすでにお芝居の大道具が準備されています。
舞台袖近くにいた虎駿くん。
おもちゃの刀の代わりに、今度は桜の枝を持っていました。
着替え終わった光さんが音響の確認中。
その間、オシャレ&流暢な英語のアナウンスが流れました。
「Thank you for coming to see Mikaido-Gekidan…」
コロナ前に海外のお客様を意識して録音したアナウンスだそう。
英語のアナウンスのあとは、代表の影マイクで、開演です!
虎駿くんと手を繋いでいる姿にほっこり。
皆さんお待ちかね、これより第1部お芝居「遊侠三代」の開演です!
■第1部お芝居「遊侠三代」
一休みしている川北長治親分(総座長)のもとに財布を盗もうと忍び寄るおこも(富士野竜花さん)。
おこもから事情を聞く親分と子分の長吉(虎之介さん)と政吉(光さん)。
情け深い親分はお金と握り飯をおこもに渡します。
そして、とあるお願いをおこもにします。
「仲間とともに俺の父っつぁん、探しちゃくれないかい」
「歳の頃なら五十と二、三。津軽訛りで、おさねぇ時に木登り落ちて、ついた傷が右目のところにある」
親分とおこもが去ったあとは空気が一変。
重々しいBGMと共に、川向こう(風吹あさとさん)と人斬り仁平(代表)が登場。
川北長治の始末を仁平に頼んでいます。
その頃、舞台袖では……。
音響についている光さんと
富士野竜子(ふじの りゅうこ)さんをパシャリ。
音響の後ろから見守る総座長と虎之介さん。
着付け中の総座長をパシャリ。
補助をしているのは、先ほど音響をしていた竜子さん。
舞台は第2場へ…
親分の命をもらいに川北一家を訪ねてきた人斬り仁平。
長吉が飛びかかるも返り討ちに。
とても適う相手ではない。
このままでは親分が危ない……
仁平が去ったあと、長吉が親分の代わりに行こうとしますが、
家族がいる長吉を行かせたくない親分。
「血肉を分けた親兄弟よりも、盃を分けた親分の方が大事」
親分を欺き、行ってしまった長吉。
その後を見つめる政吉。
ここで舞台が暗転。
舞台裏では次のセットの準備に皆さん大忙し!
準備が終われば、いよいよ物語は大詰めへと進みます。
大詰め。
長吉と仁平の一騎打ち。
劇場全体に緊張が走っています。
舞台袖でもあさとさんと虎駿くんの一騎打ちが!
こちらは穏やかな空気が流れており、ほっこり☺️
ふたたび舞台。親分と仁平の死闘が続きます。
迫力満点の殺陣に息をするのも忘れてしまいそうになります。
ふと動きを止める親分と仁平。
「似てる。歳の頃なら五十と二、三。津軽訛りの旅鴉」
「似てる。歳の頃なら二十と五、六。津軽に残した倅の長治」
悲しい再会、ついに決着……
自身の着物を長吉にかける親分
「血肉を分けた親兄弟よりも、盃を交わした親兄弟のほうが大事、か」
親分の無事に涙する政吉。
近くで一部始終を見ていたおこも。
親分が自身の羽織を仁平にかけるよう頼みます。
「川北長治の親分さんこそ、日の本一の、親分だねぇ!」
終幕。とてもシリアスなお話に、涙が止まらなくなりました。
常に緊張感のある演技、迫力ある殺陣にも圧倒され、見どころ満載な芝居でした。
「ありがとうございました、ありがとうございました……」
舞台袖で影アナウンスをするのは
雪まみれの人斬り仁平。
さて、舞台口上の間、他のメンバーは舞踊ショーの支度にかかります。
こちら4階の楽屋。
舞踊ショーに向けてお化粧をしている風吹あさと(ふぶき あさと)さん
「これ撮ってください。俺の推しの健康センターなんです笑」
あさとさんはブームになる前からサウナが大好きらしいです!
富士野竜花(ふじの りゅうか)さん
竜花さん愛用の手鏡。
とある劇団の座長からプレゼントしていただいたもので、
去年の誕生日のお芝居での役がイラストになっているそう!
竜花さん「私と言えばこれらしいです笑」
5階の舞台袖に戻ると、総座長が女形のお化粧中。
すごく綺麗です……(うっとり)
「アイシャドウのラメは何を使っているのですか」
「秘密です(笑)3種類くらい使ってます」
お化粧が終わったあとは着付け。
竜子さんが帯を結びます。
赤地に大きく描かれたのは巻物?
印象的な着物と帯です。
カメラを構えていると竜花さんがサービスショットをくれました!
紫の鬘がお似合い。すごく綺麗ですね〜😍
いよいよ第2部、花の新歌舞ショー開演です!
■第2部舞踊ショー
開始一曲目は総座長の女形。
美しく、しなやかな動きにうっとり☺️。
踊り終わったあとはすぐに着替え。
着付けをする竜子さんの隣に虎駿くん。
鬘をセットして準備完了!
帯の大きなリボンもかわいいですね!
穏やかな笑顔で踊る総座長に自然とこちらも笑顔になってきます!
一息つくまもなく次の立役の準備に入る総座長。
今度はどんな姿になるのでしょうか。
立役姿の総座長。
金の花の刺繍入りの袴で、凛々しいの一言。
真之介祭り、出ずっぱり!
先ほどとは違った、ハードボイルドなかっこよさ。
なめらかな踊りでお客様を魅了する竜花さん。
自然と姿を目で追ってしまいます!
光さんは男らしくもたおやかに。お客さんの目も釘付けです!
刀を使ったあさとさんの舞踊。
腰を痛めているとは思えない(お大事に〜)、ビシッと決まったかっこよさです。
しっとりとした曲に合わせて踊る虎之介さん。
どこか哀愁漂う姿に惹きつけられます。
傘を使って踊る代表。
深みのある渋い雰囲気に痺れます。
総座長、光さん、虎之介さんの群舞。
お祭り男たちの楽しそうな姿に、気づけばこちらもノリノリに!
出番が終われば、舞台袖での仕事が待っています。
光さん
虎之介さん
あさとさん
順番に音響&かけ声を担当します。
いよいよ最終演目
ラスト舞踊「なでしこ桜」
桜の枝を持って優雅に登場。
振袖を翻しながらくるくると
桜の背景幕に花吹雪が降り注ぐ、華やかなエンディングです。
これにて「真之介祭り」、無事終演!
終演後、みんな揃って舞台挨拶です。
めでたく大入㊗️
夢のひとときが終わり、みんなで送り出しへ向かいます。
ちょうどその頃
「おつかれさまでーす」
きらり☆かのんさんが学校から帰ってきました!
ピースと素敵な笑顔をいただきました!
総座長を待つ間、
ラスト舞踊で総座長が羽織っていた着物を見せていただきました。
背中には総座長の女形の絵が描かれている特注品です。
紐の部分には1つ1つ異なるアクセサリーが。
チェーンに刀や蜻蛉など。
これらは照明の幸太郎さんが付けたものだそう。
総座長の持ち物は細やかなところまでこだわりが詰まっていますね。
そしてこちら、総座長のお許しが出て撮影させてもらった
「送り出しから帰ってきて大の字になっている光さん」
表も裏も大忙しでしたもんね…
皆様本当にお疲れ様です🙏(まだ夜の部もあります!)
送り出しから戻ってすぐ、夜の部の打ち合わせをする総座長と幸太郎さん。
真剣な表情。
最初から最後まで、舞台に寸分の妥協のない総座長でした!
■見海堂真之介総座長メッセージ
俺が右足を負傷し、あさとさんが腰を負傷し。そんな中でも相変わらずの全力投球、命懸けで毎日頑張っています。
いつくたばるかわからないので(笑)、早いうちに来てください!
■見海堂劇団プロフィール
1975(昭和50)年、代表・見海堂駿が「見海堂 駿&座 笑泰夢」を東京で旗揚げ。
平成23(2011)年、息子の見海堂真之介が座長襲名。
平成24(2012)年、劇団名を「見海堂劇団」と改名、真之介座長が総座長に。
オリジナルの迫力あるお芝居や、創意工夫が凝らされた華やかな舞台を展開し、観る人の心をつかんでいる。
6月公演は29日お昼まで。
羅い舞座YouTubeチャンネルも要チェックですよ〜!!