舞台袖レポートでは、楽屋や舞台袖など客席からは見えないところでの劇団の奮闘ぶりをお届けしています。

今回は、羅い舞座グループ弁天座で6月公演中の劇団夢道の皆さんに密着しました!

2024年6月9日取材)

 

 

 

■開演1時間前

 

劇団夢道は今年1月に旗揚げしたばかり。

ここ弁天座にも初乗りです。

 

 

今日は「錦之助祭り」ということで、ショーでは座長が出ずっぱりの予定。

 

 

使う鬘がすでに棚にセッティングされています。

 

 

 

 

「これで全部ではないです。昼夜合わせて30面は使いますので」

 

 

え!ではこれで半分ですか?!

 

 

 

 

 

衣装もずらり。

 

 

 

 

こちらも一部で、奥のラックにもまだまだあります。

 

ほたるさん「衣装は座長とわたしで相談しながら決めてますね」

 

 

 

 

 

座長の衣装ケース類は水色で統一。

 

 

 

 

ビシッと整理されて見やすいですね。

 

 

 

 

 

 

1ヶ月前に購入したという座長の化粧前机。

 

 

 

 

こちらも常に整理が行き届いて、気持ちが引き締まります。

 

 

 

 

 

今日はお芝居からの開幕。

 

お外題は「やくざ子守唄」

 

錦之助「よその劇団では『小仏峯五郎』などのお外題で演られているお芝居ですね。

僕は笹川重蔵役です」

 

 

早速、化粧にかかります。

 

 

 

 

チークの色を何色も重ねて、グラデーションを施していきます。

 

 

チークの色もたくさん。

 

 

 

 

座長の化粧のポイントは?

 

 

錦之助「うーん、特にないんですけど。

お芝居の時は出来るだけシンプルに、その役に近づけるようにすることかな。

目が一番大事ですね」

 

 

 

 

 

 

 

2階の楽屋にもお邪魔。

こちらはマンスリーゲストの三代目藤(ふじ)ひろし座長のお部屋です。

 

 

 

 

 

すでにメイクは終えられていたのですが、ちょっとだけ!と、鏡を構えてもらいました(笑)

 

今日は敵方の親分・飯岡助五郎役です。

 

 

 

 

 

こちらは、本日のゲスト・冨士川(ふじかわ)すすむ座長のお部屋。

 

 

 

 

目の、一番繊細な部分のメイク中。

 

お芝居は小仏峯五郎役です。

 

 

 

 

 

 

 

1階に戻ると、姫百合七星(ひめゆり ななせ)さんが着替え中。

 

 

 

 

今日は飯岡一家の子分役です。

 

 

 

 

 

 

 

音響のセッティングを終えたほたるさんも、支度にかかります。

 

 

 

 

 

 

着替えながら七星さんの帯を手伝います。

 

 

 

 

 

 

 

着付けが終わった七星さん、座長の支度を手伝います。

 

 

 

 

 

こういう連携が、阿吽の呼吸で行われる劇団夢道の楽屋です^^

 

 

 

 

さて、これから着替える人がやってきました

 

姫海老之助(ひめ えびのすけ)さん。

 

着物を着る前に、マッスルポーズを撮らせていただきました!

 

 

 

 

見事な三角筋!!(惚れ惚れ)

海老之助さんは格闘家でもあります。

今日の役は笹川一家代貸・政五郎です。

 

 

 

 

 

そして、姫天花(ひめ てんか)さん。

 

 

 

 

 

天花「今日は笹川一家の三下の、火の玉啓介役です」

 

このお芝居の隠れた主役とも言える啓介。

演じるのは今回で3回目だそう。

ただいま三枚目に挑戦中と言う天花さんの啓介、楽しみですね^^

 

 

 

 

 

 

お芝居の大道具も既に完成。

 

 

 

 

 

 

 

弁天座の照明室は2階にあります。

ここからの眺めをちらっとご紹介。

 

「おお〜」

 

 

 

結構高い。高所恐怖症の方はちょっとドキドキしてしまうかも。

 

お客様がたくさんお詰め合わせで、賑やかな声が響いています。

 

 

 

 

 

開演3分前。舞台袖に出演者一同が集います^^

 

三代目藤ひろし座長と冨士川すすむ座長。

 

 

 

 

赤ちゃんがハリウッド風?!

 

 

 

 

 

錦之助座長のアナウンスで、開幕です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■お芝居「やくざ子守唄」

 

 

笹川重蔵親分(錦之助)のところに、代貸・政五郎(海老之助)が帰ってきた。

 

「これは知り合いの話ですが…女房を死なせてしまった男がおりましてね。

まだ小さな子がいるのですが…」

 

 

 

 

 

「知り合いの男の話」とは

重蔵の妹と駆け落ちして出て行った小仏峯五郎(冨士川すすむ)のことだった。

 

 

 

 

女房の仇討をするために、こどもの面倒を見てもらいたいという峯五郎。

 

 

 

妹を奪った峯五郎を許せない重蔵。

しかし、峯五郎の心情と、幼い子を見て心が動く…

 

 

 

 

「その子があかの他人の子なら拾って育ててもやろう」

 

親分が残した「謎かけ」が、理解できない政五郎。

 

「???」

 

 

 

 

 

「そうか、わかった!!」

 

 

 

 

こんな時はあの男の出番。

 

「おーい啓介〜」

 

 

 

「なんだよ兄ぃ」

 

 

啓介(天花)に赤ちゃんを見つけさせるため、外へ誘う政五郎。

 

しかし、啓介の操縦は一筋縄ではいきません。

 

真面目な政五郎とおとぼけ啓介の爆笑のやりとりはぜひ舞台で!

 

 

 

 

 

 

 

 

赤子を抱く重蔵と仇討ちに向かう峯五郎。

 

 

 

 

 

 

 

見送るものの、やはり放ってはおけない…

 

 

 

 

 

ここで舞台転換。

 

 

大詰めの立ち回りを合わせます。

 

 

 

 

 

 

 

第2場 大詰め

 

峯五郎と飯岡助五郎(藤ひろし)の一騎打ち。

 

 

 

 

 

政五郎も加勢!

 

 

 

 

討たれる飯岡一家。

 

 

 

 

峯五郎が重蔵に託した言葉とは…

 

 

 

 

前半は思い切り笑って、後半は迫力ある立ち回りと涙のクライマックス。

ぜひ舞台で!

 

 

 

 

 

お芝居終演。

 

舞台口上の裏で、舞踊ショーの背景幕の準備にかかる七星さんと天花さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び2階から舞台を覗いてみましょう。

 

劇団グッズの説明中の錦之助座長。

 

 

 

 

 

 

座長が手にしているのは錦ちゃんうちわ。

 

 

 

 

 

絵は天花さんが描かれたそうです。

 

 

うまい!そしてかっわいい〜😍

衣装も特徴を捉えられていますよね。

みなさん多才すぎます。

 

 

 

 

口上から戻って大急ぎで化粧支度する錦之助座長。

 

「10分後に開けます」

 

さあ、ここからが時間との勝負。

 

化粧の補助するのは七星さん。

 

 

 

 

 

 

着付けはほたるさん担当。

 

 

 

 

いつもながら、手早く美しく、手つきに迷いがありません。

 

 

 

 

着付けが終われば、すぐに舞台袖の音響に移動。

 

 

 

 

舞踊ショーの開幕を告げるアナウンスは錦之助座長。

 

 

錦之助座長「このメンバーだけで裏のことも全部やりますから、大変です。特にほたるさん」

 

 

 

 

 

モニターを見ながら客電を落としていくほたるさん。

 

 

 

 

舞台の主役が錦之助座長なら、舞台裏の主役はほたるさん。

 

その敏腕ぶりに見惚れる瞬間が、何度もありました。

 

 

 

 

 

アナウンスから化粧前に戻り、もう一度化粧の確認をする錦之助座長。

 

 

 

 

急いでいても、ギリギリまで丁寧に。

指でそっと眉に紅を加え、舞台に向かいます。

 

 

 

 

 

■第2部舞踊ショー「錦之助祭り」

 

 

幕開けトップは錦之助座長の女形舞踊。

板付きで登場です。

 

 

 

 

この、佇まい。

 

幕が開き、客席を一瞬で魅了するために高められたこの空気を壊さぬよう、

息を止めて見守ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

2曲目は群舞。

支度を終えた海老之助さんと七星さん。

 

 

 

 

 

 

群舞には劇団メンバー全員出るので、ひろし座長がマイクを受け持ちます。

 

 

 

 

 

 

「お手拍子、よろしく!」

 

 

 

 

 

「ウェーイ」

 

 

 

と、このまま錦之助座長、次の衣装に着替えるために舞台袖へ走り込みます!

 

 

 

 

他のメンバーも、舞台袖に戻ってすぐさま音響についたり、次の支度へと走っていきます。

 

 

 

 

↑  脱ぎながら走ってますw

 

 

 

 

続いて

錦之助座長とひろし座長の相舞踊「夢芝居」

 

 

 

 

背中越しでも息ピッタリ。

 

 

 

 

 

次の舞踊の支度をする海老之助さんとほたるさん。

 

 

 

 

 

 

幕開けから1秒も止まってないほたるさん

 

着替えの途中で、座長の着付けを手伝います。

 

 

 

 

 

 

出ずっぱりの錦之助座長!

 

 

 

 

お客様もテンションマックス!

 

 

 

 

 

座長が舞台にいる間に、どんどん着物を片付けてゆくほたるさん。

 

 

 

 

「すぐに片付けないと、次の衣装が出せないんですよ」

 

 

 

 

 

 

そして、あっという間に次の衣装一式並べられました。

 

 

 

 

 

 

冨士川すすむ座長の女形舞踊。

 

 

 

 

 

女形の美学が詰まっているような、この曲線。

 

 

 

 

 

 

錦之助座長の早替え中継〜

 

ほたるさんとの相舞踊から

 

 

 

 

 

大急ぎで着替えて

 

 

 

 

海老之助さんとの相舞踊へ。

 

 

 

戻ってきて、またまた着替え

 

 

 

 

 

客席から登場するため、走ります!

 

 

 

 

 

こんなめくるめく早替えがスムーズに出来るのも、

座長の長年の経験と、次の衣装がバッチリ用意されているからですね♪

 

 

 

 

 

早替えもスリリングでワクワクですが、じっくりと練られた支度もまた素晴らしい。

 

個人舞踊の支度を終えた天花さんをご覧ください。

 

 

 

 

 

来月で20歳。

80年代ポップスマニアで、今はジュリー(沢田研二)が大好きだそう。

着実に築かれている天花ワールド、今日も全開です!

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

海老之助さんは貴公子のように。

 

 

 

 

 

 

 

三代目藤ひろし座長は、粋でいなせな色男。

 

 

 

 

 

 

錦之助座長の個人舞踊の最後は

白いマントでダンディに。

 

 

 

 

三者三様で決まってますね!

 

 

 

 

 

錦之助祭りも終盤。

 

ラスト舞踊前の一本は、ほたるさんの袴舞踊。

 

 

 

 

お手本のような丁寧な踊り。

このお支度も、他の仕事をこなしながら仕上げられました。

 

 

 

 

 

 

ラスト舞踊前の舞台袖。

 

 

 

 

このわちゃわちゃ集まっているところが実に楽しそう。

 

 

 

 

すすむ座長と海老之助さんのマッスルポーズいただきました^^

 

 

 

 

 

 

 

最後を告げるアナウンスは、錦之助座長。

どんなにバタバタでも、要所要所は座長で締めます。

 

 

 

 

 

 

曲は「サンバdeわっしょい」

 

さあ、弾けまショー!!

 

 

 

 

 

 

これにて終演

お昼からダブルの大入!

おめでとうございます!

 

 

 

 

 

 

■姫錦之助座長メッセージ

劇団立ち上げてすぐに劇場公演をさせてもらっているので、とにかく頑張るしかない!の一言です。

今月もたくさんお客様に入っていただけるように、毎日みんなで頑張っています。

今月の日曜は錦之助祭りで、出ずっぱりです。ぜひお運びください。

 

 

 

■劇団プロフィール

2024年1月、姫錦之助座長が花車から独立、太平楽ぶらり劇場にて旗揚げ公演を行う。

座長を先頭に一致団結、楽しい舞台を届けることをモットーとし、新たな舞台作りに挑戦する。

劇団名は座長の母である夢路京母が命名。夢に向かってひた進めという願いが込められている。

 

 

弁天座公演は6月29日お昼の部まで、ぜひぜひお運びくださいませ〜!